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ARTICLE

担当者任せにしない、経営から見たシステムの選び方

この記事の結論

経営として確認するのは「現場が使いやすいか」ではなく、「データが自社に残るか」「後から変えられるか」「止まったとき誰が直すか」の3点です。この3つは担当者では判断できず、契約前にしか決められません。

まずは、これだけ

  • 現場の使いやすさと、会社として持つべきかは別の問い
  • 3つの観点は、そのまま各社への質問文として使える
  • 稟議は「いまできること」ではなく「あとで何ができるか」で説明する

選定を現場に任せると、使いやすさで決まります。それ自体は正しいのですが、使いやすさは数年で古くなります。会社として持つべきかは、別の問いです。

実際に伺った話

経営層のお二人が、担当者の下調べをもとに判断していた

  • 決めるのは取締役と、工場を見ている役員のお二人
  • 担当者はIT系の知識があり、選択肢を整理して上げていた
  • 論点は「いくらか」より「あとで身動きが取れるか」だった
  • 第三者に既存のつくりを確認してもらう段取りも、自分たちで進めていた

現場と経営で、見ている時間軸が違います。どちらが正しいという話ではありません。

  • 現場が見ているもの

    問い
    いまの作業が、速く・楽になるか
    効く期間
    導入直後から
  • 経営が見るべきもの

    問い
    数年後に、会社として何ができるか
    効く期間
    3年後・5年後
  • どちらも要る

    現場だけ
    数年後に乗り換えが必要になる
    両方
    使われて、かつ育つ
現場の判断を否定する話ではありません。見ている時間軸が違うだけです

決裁の場で確認したい3つ

  • データが自社に残る形か取り出せるか。管理したい粒度と合うか。分析や他部門で使えるか
  • 変化に追随できるか機能を足せるのか、仕様の範囲で我慢するのか
  • 止まったとき誰が直すか社内に担当を置くのか、開発した会社が引き受けるのか
いずれも導入時点では差が見えません。効いてくるのは数年後です

この3つを、そのまま質問の形にする

抽象的なままだと選定表に載りません。各社に同じ文面で投げられる形にしておくと、回答が並びます。

  1. 01「出力できる項目と形式の一覧をください」画面に見えている項目と、出力できる項目は別です。一覧で出ない会社は要注意です
  2. 02「いちばん細かい記録の単位は何ですか」ロット単位か、日次か。あとから細かくはできません
  3. 03「この機能を足したい場合、どうなりますか」実際に足したい機能をひとつ挙げて聞きます。可否・進め方・期間で回答が割れます
  4. 04「障害のとき、誰がどこまで対応しますか」受付時間・切り分けの範囲・復旧の責任。契約書のどこに書かれているかまで確認します
同じ4問を各社に投げると、比較できる回答がそろいます

いつ、差が出るのか

この3つを確認しないまま決めると、事業が動いたときに効いてきます。

  • 導入直後どちらも同じように動く
  • 1年後足したい機能が出てくる
  • 3年後分析したい形と合わない
  • 5年後乗り換えの検討が始まる
受発注・在庫・原価は判断の材料になります。詳しくはデータの残り方の記事で書いています

稟議では「あとで何ができるか」で説明する

価格で説明するできることで説明する
論点いくら安いか数年後に何ができるか
比較他社と金額を並べる3つの観点で並べる
反論もっと安い案を出される論点がそろい、議論になる
決裁後差額の説明が残る判断の根拠が残る
費用は、予算とスケジュールに合わせて進め方を選べます

持ち帰っていただきたい3つ

  • 現場の評価と、会社としての判断は分けて聞く使いやすさの評価はそのまま採用し、そのうえで3つの観点を別に確認します。両方そろって初めて選べます。
  • 4つの質問を、同じ文面で各社に投げる口頭のやり取りだと回答が横並びになりません。書面で受け取れば、そのまま稟議の資料になります。
  • 止まったときの窓口を、契約前に決める社内担当か、開発会社か。ここが空白のまま進むと属人化します。

よくあるご質問

Q現場の意見は聞かなくてよいのですか。

A聞いてください。使いやすさは現場が最もよく分かります。この記事で扱っているのは、現場では判断できない3点を経営が補うという話です。

QIT担当がいない場合、誰が判断すべきですか。

A経営層が判断する前提で構いません。3つの観点は技術の知識がなくても確認できる形にしてあります。回答が分かりにくい場合は、その場で説明を求めてください。

Q稟議はどう書けばよいですか。

A導入後にできることではなく、そのあと何を足せるかを軸に書くと通りやすくなります。段階的に導入する計画にすると、初期の判断も小さくできます。

Q技術顧問のような形での相談はできますか。

Aできます。選定の場に同席して、各社の回答を一緒に確認する形も承っています。

Q複数社の提案を比較する資料はありますか。

Aこの記事の3つの観点をそのまま質問文にしてあります。各社に同じ質問を投げ、回答を並べて比べてください。

Q導入を急いでいます。短期間で進められますか。

A対象を絞れば短い期間でも進められます。全体をまとめて作るのではなく、いちばん困っている業務から段階的に進める方法をご提案します。

まとめ

  • 確認するのは、データ・拡張性・保守体制の3点
  • どれも契約前にしか決められず、担当者の判断範囲を超える
  • 選定の場では、各社に同じ質問を投げて回答を比べる

いまお使いの仕組みと、これから決めたいことを伺ったうえでご提案します。要件が決まっていない段階でもご相談いただけます。

まずは、いまの業務のことから。

要件が決まっていない段階で大丈夫です。
いちばん困っている業務ひとつから始められます。

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